ふゆちゃんのこと

以前のブログ記事にも書かせていただきましたが…

ご存知のとおり、
当院は飼い主のいない猫に対し、
不妊手術を格安で実施している病院です。

「なぜ安いのか?」
「こんなに安くて良いのか?」
と聞かれる際は、
私の答えはいつも同じ。

「人手も設備も無いため、安いだけです。
その分、通常の一般病院様での手術に比べ、リスクは高くなってしまいます。」

では、このリスクとは
具体的にはどれほどのものなんでしょうか。

一般動物病院での手術の麻酔リスクは、
だいたい1000分の1かそれ以下とされています。
この中には不妊手術以外の難しい手術の麻酔も含まれるので、
「不妊手術のみに関する麻酔リスク」と限定すると、
おそらくもっと低い確率になると思います。

一方で TNR病院ではと言うと、
TNRに関する死亡事故や死亡率に関する報告は少なく、
また各病院の設備や手術手技にバラツキがあるので一概には言えませんが、
だいたい300〜500分の1くらいの死亡率かと思います。

(論文によっては、
TNR病院の獣医師は不妊手術に慣れているので、
死亡率はさらに少ないとしているものもありますが。)

当院も1年ちょい経ってみて、
だいたいこの範囲内かなという感じです。

先日当院にいらっしゃった子猫さんが、
残念ながら麻酔後に呼吸が止まり、お亡くなりになりました。
我が家で保護している子猫兄弟の最後の1匹、
「ふゆちゃん」と仮名の決まっていたと男の子です。

今まで亡くなった子たちは、
元の状態が悪かったり横隔膜ヘルニアがあったりと、
何かしらの素因を抱えた子がほとんどでした。
リスクが高いと説明しているとはいえ、
もともと元気そうで何もないような子が亡くなるのは稀です。

ふゆちゃんも、
他の兄弟たちと一緒に我が家で保護する予定だったのに、
ごめんね。

自分への戒めの気持ちも込めて、
起こった出来事をここに書き記しておきます。

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当院は、野良猫や地域猫の不妊手術を専門とした動物病院です。 新潟市にて開院しており、野良猫問題の解決や殺処分数減少に取り組んでいます。 一般の飼い犬・飼い猫さんはお受けできませんので、ご了承くださいませ。

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